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本校は、大正11年に和歌山県立海南中学校として設置された後、学制改革により和歌山県立海南高等学校となり、今年で104年目を迎えています。
海南校舎は普通科と教養理学科の2つの学科で構成されており、それぞれが生徒の進路目標の実現に向けた取組を展開しています。なかでも特徴的な取組は、平成16年度に文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、連続4期18年にわたり教育課程の研究開発を行ってきたことです。令和4年度には「SSH認定枠」という新しいカテゴリーの研究指定校に全国5校のうちの1校として認められ、これまでの研究開発の成果をさらにブラッシュアップし、自走可能なプログラムを構築していくことを目標としています。具体的には、第2学年の教養理学科と普通科理系対象の「総合的な探究の時間」に実施している探究活動 『SITP (Science Instructor Training Program) 』を、普通科文系の生徒にも拡充し、地域課題に係る探究活動を昨年度(令和5年度)からスタートさせたところです。この取組には地元海南市と(県)海草振興局からのバックアップもいただきながら本校教育のあらたな柱に育てるべく取り組んでいます。
また、令和6年度から海南校舎をあらたなステージへ導くために普通科と教養理学科を一括募集し、1学年では共通の教育課程で学び、2学年からいずれかの学科に所属するという制度改革を行いました。大きな目的は、SSH研究指定で培った財産を再認識し、これをすべての生徒に還元すること、そして「探究する力」を磨ける学校であることを改めてアピールすることです。
今、すべての高等学校は地域の中でどうあるべきかをあらためて問われています。私たち教職員や生徒が地域を知るとともに、学校の教育活動を地域の方々にしっかりと理解してもらうことも重要なことだと考えています。引き続き、地域から必要とされる学校であり続けるために努力してまいりますので、今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
学制改革前の大正11年、海南中学校が現在の海南市大野中に開校されました。設置された場所は、名草郡と海部(あま)郡が合併して生まれた海草郡の南部に位置したことから、海草郡の「海」とその南部の「南」をとって校名とし、「海南」中学校と命名されたといわれています。
昭和23年、学制改革により旧制海南中学校から海南高等学校となりました。
本校の校章に使われている波形は、「海南」から連想する「海」をデザイン化したものといわれています。
本校は旧制の海南中学校・日方高等女学校・海南高等家政女学校の3校を前身に設立され、その伝統に育まれていることから、『高』のまわりに3校を表す3本の波形を配置し、新制高等学校の発展を期して作成したとされています。
平成20年 大成高等学校と統合を期に、『高』の下部に大成高等学校の棕櫚をイメージした校章の一部を配置したものが、現在の校章となっています。
本校の前身である旧制海南中学校初代校長の野地清学先生が、校訓として朝礼でよく使われていた言葉として、『和歌山高校風土記2』(毎日新聞社編)で紹介されています。
『伝習録』下〔王陽明*2の語録〕
王陽明の自己修養のあり方について、安岡正篤*3は次のように述べています。
思想というものは時に現実から遊離して一人歩きをし易いものであるが、王陽明はそれを戒め本当の思想・理念というものは決して日々の生活から遊離するものではなく、何ら変わらぬ日常において自らの良知を致す事こそが、真実の意味における学問であり自己修養なのだと説いた。
*1功夫…考えをめぐらすこと。工夫。
*2王陽明(1472~1528)…明の哲学者・政治家。陽明学の始祖。名は守仁。
*3安岡正篤…陽明学者。思想家。