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本校は、大正11年に和歌山県立海南中学校として設置され、昭和23年の学制改革により和歌山県立海南高等学校となり、その後の変遷を経て、今年(2021年)開校から百年目を迎えています。校名の由来は、学校の設置された場所が、名草郡と海部郡が合併して生まれた海草郡の南部に位置したことから、海草郡の「海」とその南部の「南」をとって命名されたといわれています。
海南高等学校海南校舎は、普通科と教養理学科の2つの学科で構成されており、それぞれが生徒の進路目標の実現に向けた取組を展開しています。第1学年の総合的な探究の時間では、「風は緑に」と題し、地域共創の視点を取り入れた取組を行い、未来を切り拓く人材 ‘アクティブ・ラーナー’ の育成に力を入れています。「風は緑に」では、2学期から社会問題(例 環境、福祉、生活、医療など)について班ごとにテーマを選び、研究発表を行います。また、この研究に取り組みながら、地域で活躍されている経営者の方々を講師とする「夢のかたち講座」を受講し、自らの将来を考える機会としています。
もう一つの特徴的な取組として、平成16年度に文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、昨年度末(令和3年度末)まで通算4期18年にわたり、教育課程の研究開発を行ってきたことがあげられます。今年度(令和4年度)には、「SSH認定枠」という新しいカテゴリーの指定校に、全国5校のうちの1校として指定されました。これからの5年間は、これまでの研究開発をさらに充実させ、自走可能なプログラムを構築していくことが大きな目標となります。具体的には、第2学年の総合的な探究の時間に実施している探究活動 『SITP (Science Instructor Training Program) 』を、普通科文系の生徒の探究活動にも生かし、この探究活動を本校教育の大きな柱として育てていきたいと考えています。
今、すべての高等学校は、地域の中でどうあるべきかをあらためて問われています。私たち教職員や生徒が地域を知るとともに、学校の教育活動を地域の方々にしっかりと理解してもらうことも重要なことだと考えています。コロナ禍にあって、地域での活動や地域の方々と交流することの難しさを感じていますが、できることを見出し頑張ってまいりますので、今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
学制改革前の大正11年、海南中学校が現在の海南市大野中に開校されました。設置された場所は、名草郡と海部(あま)郡が合併して生まれた海草郡の南部に位置したことから、海草郡の「海」とその南部の「南」をとって校名とし、「海南」中学校と命名されたといわれています。
昭和23年、学制改革により旧制海南中学校から海南高等学校となりました。
本校の校章に使われている波形は、「海南」から連想する「海」をデザイン化したものといわれています。
本校は旧制の海南中学校・日方高等女学校・海南高等家政女学校の3校を前身に設立され、その伝統に育まれていることから、『高』のまわりに3校を表す3本の波形を配置し、新制高等学校の発展を期して作成したとされています。
平成20年 大成高等学校と統合を期に、『高』の下部に大成高等学校の棕櫚をイメージした校章の一部を配置したものが、現在の校章となっています。
本校の前身である旧制海南中学校初代校長の野地清学先生が、校訓として朝礼でよく使われていた言葉として、『和歌山高校風土記2』(毎日新聞社編)で紹介されています。
『伝習録』下〔王陽明*2の語録〕
王陽明の自己修養のあり方について、安岡正篤*3は次のように述べています。
思想というものは時に現実から遊離して一人歩きをし易いものであるが、王陽明はそれを戒め本当の思想・理念というものは決して日々の生活から遊離するものではなく、何ら変わらぬ日常において自らの良知を致す事こそが、真実の意味における学問であり自己修養なのだと説いた。
*1功夫…考えをめぐらすこと。工夫。
*2王陽明(1472~1528)…明の哲学者・政治家。陽明学の始祖。名は守仁。
*3安岡正篤…陽明学者。思想家。