2月28日 − 同窓会入会式 −

記念講演 「自己を磨く」 石田真敏海南市長(高校23期卒業生)
 卒業式を翌日に控えた2月28日に高等学校53期卒業生249名の同窓会入会式が例年に習って行われた。本校の同窓会は、その前身である旧制海南中学校、日方高等女学校、海南家政女学校と新制になってからの海南高等学校の卒業生で構成され、会員数約2万5千名からなっている。昭和36年に結成されて以来、毎年卒業式の前日に本校を卒業していく生徒を対象に入会式を実施している。この式では毎回、社会で活躍している先輩を招き記念講演をお願いしている。

 会長中村哲三氏のあいさつで始まり、会長から卒業生に記念品が贈呈され、続いて記念講演が行われた。会長はあいさつの中で、戦時下の学校生活に触れ、修学旅行が取り止めとなったこと、それに変わる行事として計画された紀伊半島を巡るサイクリングのきつく楽しかった思い出など、本人が過ごした旧制中学校時代の懐かしい思い出を話された。そのような青春の一時期をともに過ごした友達が、卒業後も欲得を越えたつながりで一生の友になっていることや、旧友が集う同窓会の楽しさなど、卒業生が卒業後も連携をもって助け合い、楽しみを分かち合っていることに触れ、巣立っていく卒業生へのメッセ−ジとした。

 その後に続く記念講演では、高校23期卒業生の石田真敏海南市長を講師としてお招きし、「自己を磨く」といった演題でご講演をいただいた。講師先生が高校卒業後、上京したおりに大変なカルチャ−ショックを受けたこと、そして読書に打ち込むことで知識を蓄え、ショックを乗り切った経験などを披露され、卒業生にも知識を蓄え、体験を積むことの重要性を説いた。人生80年という今日、生涯を通じてんでいく必要があり、学び方を学ぶことの大切さ、蓄えた知識と体験をブレンドして考えることで見識を広く持つことの大切さを優しく、しかも熱っぽく、後輩をいつくしむ語り口調で、諄々と説き聞かせ、巣立ちゆく卒業生のこれからの歩みに大きな示唆を与える旅立ちのはなむけをいただいた。

 卒業生たちは講演の内容や講師の話ぶりにひかれ、大変静かに興味深く聞き入っていた。式での態度については、成人式を取り上げたマスコミ報道から、入会式直前の控室では来賓や講師の方から入会式に臨む生徒の態度が話題になっていた。式終了後、講師先生が、「今日は高校生の前で話をするということでチョット構えてきたが、始まってみると静かに聞いてくれて安心して話が出来たよ」と話されたその一言が印象的であった。最近の若者の儀式への参加態度に不安を感じていたようだが、本校の生徒の態度を見て安心していただいたようだ。