平成13年1月 − 本音でトーク −
 高校生活も終わりに近づいた3年生の文化コ−スのクラスで社会科授業の一環として「女が得か、男が得か」といったテ−マでディベ−トを実施しました。この事業は県が推進しているハイスク−ル版本音でト−クという企画に乗ったものです。社会的に作り出された性的差別を解消しようという意味をもつジェンダ−フリ−という言葉の理解を図りつつ、男女共同参画社会の実現を目指すことがねらいです。

 昨年の夏に県の女性政策課と海草振興局の担当の方々がお見えになってこの企画を本校で取り組むよう依頼がありました。文化祭の催しの中で取り組めば大変面白い活動になるのではないかとも思いましたが、文化祭行事がすでに確定してしまっていたので授業かホ−ムル−ム活動の中で取り組むように考え、結局社会科の授業の一環として取り組むことにしたのです。

 当日は、県の担当者を迎え、校内の手隙の先生方も参観する中で進められました。男の立場で意見を主張するグル−プと女の立場を主張するグル−プが左右に分かれ、お互いが対面するように座席を設けて討論を行ないました。

 最初は学校生活の中で男女の損得について意見を出し合った。女子大があるうえに、短大のほとんどが女子の学校で、進路については女子の方が選択の幅が広くて得だという意見に対し、いや、女子の方は自分の意志よりも親の見栄で進学させられるケ−スが多く損だなど身近な進路の問題について話が進み、やがてセ−ラ−服は下に着込むことが出来なく冬は寒い、細かいことで女性は怒られやすい、男子の更衣室がない、力仕事は男に言い付けられる、水泳やマラソンで長い距離を走らされる、などの意見が出て、お互いに反論を試みたが、結局のところは学校生活の中では余り男女による差がないことがわかった。

 続いて、家庭生活や社会生活の中での男女による差別について話し合われた。女性は男性に比べ夜の外出や帰宅時間が厳しくいわれ、礼儀作法なども厳しく求められるなどの話が出たが、議論の中心は子供の世話や、老人介護などで、社会的制度では男女差がなくなりつつあるが、家庭の中では依然女子に多くの負担がかかっていることが浮かび上がった。

 2時間の討論会であったが、自分の意見を正しく主張し相手を説得する討論技術を身につけることの難しさとともに、男女がお互いを尊重し協力することが社会生活を営む上で大切であることを学んだ。