10月1日 − 海南高校だより(49) −

 海南高校の取り組みと学校改革−45分7限授業の実施−
 本年4月から普通科の1年生で学級減があり、生徒数は40人減少しました。海南・海草地方の子どもの数が年々減少し、今後ともこの傾向は続くものと思われます。そして、来年度からは、高校入試における普通科の学区制が撤廃され、生徒は県下のどの高校でも自由に受験できるようになり、高校は選ばれる時代になりました。さらに、本年度から学校週5日制が実施に移され、来年度からは、総合的な学習の時間が目玉の新教育課程が導人されることになっています。

 教育の変革期で、しかも子どもの減少傾向にある今、地域から信頼される学校であり続けるための強力な取り組みが求められています。学校教育に対する信頼性、公立学校に対する批判、新学習指導要領に対する学力低下の心配などがマスコミでもしばしば取り上げられ、世間の関心をかっています。

 県教育委員会からは、新学科の設置、単位制の導入、さらには、学校間連携や中高一環教育などが提案されています。本校は従来から文武両道を基本にバランスのとれた高校生の育成を目指してきました、今後ともこのことを大切にし、「生徒が楽しく過ごせる学校」「落ち着いた雰囲気の学校」「自主的な学習に取り組める学校」と言った理念をもとに改革に取り組んでいくつもりです。

 全校生徒の半数近くが体育系の部活動に参加し、毎日練習に励んでいます。文科系の部に所属している生徒100人強をあわせると、全校生徒の2/3近くが部活動に積極的に取り組んでいることになり、その成果もあげています。このことの他に、生徒会執行部や各クラスを中心に、夏休みに入る少し前ごろから秋の体育大会や文化祭に向け、その企画や準備に取り組んでいます。今後も、このような生徒の活動を積極的に応援し、より充実したものにしていきたいと思っています。生徒が学校行事や部活動に積極的に参加し、主体的に取り組むことによって充実した楽しい学校生活を送り、そんななかで人間関係を深め、ひいては人格の完成を助けるものと期待できます。

 次にこの10年近く毎夏休みを利用して校舎の大規模改装を実施してきました。さらに校庭の整備や施設設備の充実を図るとともに清掃の徹底に努めてきました。このことに加え、遅刻をなくす取組みや生徒の服装頭髪など身だしなみを整える指導を強力に進めることによって、ハードとソフトの両面から学校が真に学習の場として、落ち着いた、80年の伝統にふさわしい環境を整えることです。そのような環境が、3年間の高校生活を送る生徒の成長に大きな影響を与えるものと思います。

 続いて、学校週5日制に伴う学習時間の減少への対応としては、学習内容の精通を図るとともに、週のうち2日間、7限授業を実施しています。また、休みになった土曜日は、学校を開放して、生徒が自主的に学習する「土曜学習(Step Up Challenge)」を実施しています。これは、以前から春休みやゴールデンウイークなどの休日に「集中学習」と銘打って実施し、成果を上げてきた本校独自の取組みを毎土曜日にも実施することにしたものです。空調設備の整った多目的教室や自習室などを開放して、希望する生徒が参加し、自分で立てた計画に従い自習に取り組むものです。卒業生がチューターとして生徒の質問に答え、勉強方法などのアドバイスをしますが、基本的には生徒の自習学習が建前です。この取組みは生徒の自主的学習の習慣を育てる上で大きな効果がありました。休日になる土曜日の過ごし方としても期待できるものです。ひとりでも多くの生徒の参加を願っています。

 しかし、大学入試ではセンターテストの受験科目数が増加される傾向にあり、いま以上に科目の学習が必要となってきます。このことに対応するため、来年度からは、毎日の始業時間を早めるとともに、毎日45分の7限授業を実施して、終業時刻を午後3時30分程度にして、放課後の自主活動を保障するとともに、大学の入試変革に対応するよう検討しています。