平成12年10月 − 健脚遠足 −

  高野山から野上町まで42.195km
 高野山を出発して42q余りを歩き通すという健脚遠足は今年で17回目を迎え、すっかり本校の伝統行事になっている。しかも卒業していく生徒にとって最も思い出に残る行事のようだ。今年も例年どおり10月の第3日曜日にあたる22日に1年生240名全員が参加して実施した。

 当日は沿道各地の皆様方のご支援とともに、80名を超す保護者の協力を得た。朝4時起床、晴天に恵まれ、空は満点の星が輝いていた。東の空が白み始めた朝6時、宿坊を出発し、冷気の漂う山上をクラスごとに隊伍を組んで大門に向かった。


 大門からは歴史のかおり漂う町石道を隊伍を解き先を争うように下山した。木々に覆われうっそうとした林間の小径は一昨日の雨ですっかり湿り気を帯び、よく滑って下山が難渋した。先頭は1時間たらずで花坂まで下ってきたが、最後尾は大幅に遅れ、この6q余りの下り道で距離が相当離れた。

 花坂を出る頃からはやや日が陰り始め秋の深まる静かな谷あいの道をゴ−ルに向かって黙々と歩きとうした。このル−トは交通量も少なくのどかで遠足のコ−スに適しているが、途中数箇所で改修工事のため片側通行になっているなど危険な場所もあって気を遣った。

 恒例の行事になっていることもあって沿道の人々からはあたたかい励ましの声援がかかり、疲れと闘いつつ歩いている生徒にとって大変励みになったようだ。先頭は8時30分に最初のチェックポイントである長谷公民館前を通過し、昼食予定地点の丹生狩場神社に9時8分に着き早い昼食となった。最後尾は相当遅れ12時30分になってやっと到着した。


 スタ−トから約38q地点の美里町民会館前に設置された最後のチェックポイントでは先頭が11時35分に通過してからは後続がとぎれとぎれに通過し、タイムリミットの15時30分時点になってもまだ30名以上の生徒が到着していなかった。

 このままでは日没までにゴ−ルできそうにもなく、強制リタイアを勧告して、救護車でゴ−ル地点まで搬送することにした。一方ここをすでに通過した生徒逹は最後まで頑張ってゴ−ル地点に向かった。先頭はすでに正午前にゴ−ルしていたが、最後尾は日没直後の5時15分に野上中学校正門で多くの人々の拍手に迎えられ、ゴ−ルに滑り込んだ。


 今年は前々日の雨で町石道がぬかるみ高野山から麓の花坂までの下り道の所々で滑って時間がとられ、それがために大幅に遅れ、結果的に時間切れで強制的にリタイアを勧告された生徒が多くなった。せっかく長距離を一生懸命に歩きとうしてゴ−ル直前でリタイアを勧告された生徒は大変悔しがっていたが、完歩した生徒共々高校生活での思い出に残る行事になったことと思います。